コロナ後遺症に対する新しい治療法を確立する試み
ある新聞記事からの抜粋です。当院にもコロナ後遺症患者さんがお越しになります。薬物に加えて生活習慣の改善、メンタル不調のチェックなど様々な方面からの
アプローチを試みています。画期的な治療法が発見されるといいですね。
「コロナ後遺症、26年にも米社と治験」
2025年の慶応医学賞に選ばれた米エール大学の岩崎明子教授は新型コロナウイルスの後遺症の治療に向けて、26年にも米国の製薬企業と組んで臨床試験(治験)を始める考えを示した。コロナの後遺症は長期にわたって倦怠(けんたい)感や息切れが続き、世界で問題となっている。
コロナの後遺症は感染後に回復しても、数週間から数カ月以上症状が続く状態を指す。症状には頭にもやがかかったような「ブレイン・フォグ」や味覚・嗅覚障害など多岐にわたる。有効な治療法はまだ開発されていない。
岩崎氏は後遺症の一因として「体内でコロナウイルスが増え続けて病気を引き起こしている可能性があり、関連する研究が盛り上がっている」と話した。コロナ後遺症の人は回復した人と比べ、血液中にウイルスの表面にある突起状のたんぱく質が多く含まれているという。
このたんぱく質を除去すれば、後遺症が治る可能性がある。岩崎氏の研究チームは、米バイオ企業のインビビッドと共同研究をしている。同社はこのたんぱく質にくっつく抗体を利用した医薬品を開発している。岩崎氏は「26年にも治験を始めたい」と話した。
後遺症についてはウイルス感染で自己免疫疾患が引き起こされるなど、様々な原因が考えられるという。岩崎氏の研究チームでは複数の原因について研究を実施している。将来の後遺症の治療について「原因ごとに対処する個別化医療が必要になるかもしれない」と述べた。